2024年04月30日
デ・キリコ展
いつもアルモントイン東京日本橋のブログをご覧頂き、ありがとうございます。
今月も東京の展覧会情報をお知らせいたします。
先週の土曜日から8月29日まで上野の東京都美術館ではデ・キリコ展が開催されます。
デ・キリコは私の好きな画家であるため、ずっと楽しみにしていた展覧会で初日に行ってまいりました。今回の展覧会ができるように、東京都美術館がイタリア大使館と協力して、ローマの他に、ニューヨークの美術館といった所から多くの作品を集めました。
デ・キリコはギリシャ生まれのイタリア人であり、生まれ育った環境から強い影響を受けました。彼が描いた絵を次々と観察したら暖色系の風景が並んでいるということに気がつきます。まるで永遠の夕暮れです。その風景画にはギリシャ神話や古代ローマの人物が多く出てきます。その為、彼の作風に地中海の影響が深く染み込んでいるように見えました。
ただデ・キリコは20世紀における近代美術の巨匠であるため、ルネサンスのイタリア人画家との世界観が全く異なっていたわけです。第一次世界大戦を体験して、抽象絵画などで美術が大きく変わった時代でもあったため、彼の絵には古典的な部分が不条理な部分と混ざっています。人間の姿を風景から除去し、その代わりに無生物のマネキンを広場に置く絵やアパートの居間で戦っている古代ローマといった絵を見た時に彼のセンスとユーモアを感じました。デ・キリコの作品は不条理でありながら、美しくて独特であるため夢の世界に近いと思いました。
今年一番楽しんだ展覧会であり、図録を買ってしまったほど好きでした。
皆様にも是非おすすめいたします。
https://dechirico.exhibit.jp/
<交通>
乗り換え無し、片道約10分
東京メトロ・日比谷線「茅場町」駅→「上野」駅
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